【2021年度先進的技術シンポジウム(ATS2021)】本校学生(2名)が優秀学術賞を受賞

▲受賞した村山璃緒さん (写真左)と山田海音さん(写真右)


令和4年3月8日に、2021年度先進的技術シンポジウム(ATS2021)がオンライン開催され、本校の山田 海音さん(機械・制御系5年(受賞当時4年))、村山  璃緒さん(専攻科2年(受賞当時1年))が、学術的に優れた講演に贈られる「優秀学術賞」 を受賞しました。

山田さんは情報分野において「 量子トポロジーの量子計算への応用と世界トップの軌道解析 」、村山さんは化学・生命化学分野において「 光起電力チャージショット型神経刺激システムの自由行動下マウス実験応用 」をそれぞれ発表しました。

▲ 山田 海音さん(機械・制御系5年(受賞当時4年))

▲ 村山  璃緒さん(専攻科2年(受賞当時1年))


本シンポジウムは、高専と豊橋技術科学大学が連携して進めている共同研究(高専連携教育研究プロジェクト)の高専生等による成果発表の場となっています。今回もコロナ禍であることを踏まえ、オンラインでの開催となり、発表概要・発表資料はプレビュー期間に公開され、シンポジウム当日はZoomによる発表が行われました。


今回受賞した山田さん、村山さんへインタビューしました。

Q1 優秀学術賞受賞おめでとうございます。今のお気持ちを教えてください。

山田)研究内容や成果を鑑みて、学術的成果を強調した発表にしました。時間をかけて用意したので、内容が評価されたのはとても嬉しいです。

村山)研究成果を校外の方に評価していただく機会は初めてだったのですが、このような賞をいただけてとても嬉しいです。研究にお力添えをいただいた、澤畑先生をはじめとした研究室メンバー、豊橋技術科学大学の皆さまに感謝申し上げます。

Q2 研究発表の概要を教えてください。

山田)ひもの結び方を研究する「結び目理論」を、点と点の繋がりである「グラフ理論」で再解釈する、という内容でした。これにより一部の計算を劇的に高速化することができます。

村山)フォトダイオードの光起電力とコンデンサの充放電を利用することで、バッテリーフリーと完全ワイヤレスを両立させた新しい神経刺激システムについて研究しています。今回の学会では、前述したシステムを搭載した自作小型デバイス(4mm×5mm×1mm,0.46g)を動物実験によってマウス坐骨神経に適用し、生体への神経刺激効果を実証した成果を発表しました。この技術は脳神経科学分野の研究に大きく貢献できると考えています。

Q3 今回の研究発表において苦労された点はありますか?

山田)「分かりやすく、しかし誇張せずアピールする」ことに時間を割きました。今回は色々な分野の方がいる環境での発表だったため、「全く知らない人でも分かりやすい成果」と「専門の方も納得する厳密さ」のバランス感覚が難しく、前者については同級生や他分野の先生などにプレゼンを繰り返し分かりやすさを、後者については伊藤先生に教えて頂きながら理論や計算の厳密さを調整しました。

村山)極小の素子を組み合わせてデバイスを作成した為、使用する部品の選定やはんだごてを用いた基板実装に苦労しました。また、コロナ禍の影響で共同研究先である豊橋技術科学大学になかなか訪問できなかった点も大変でした。

Q4 今後チャレンジしたいことや研究課題、目標がありましたらお願いします。

山田)今回やったような再解釈、あるいは再構築というのは、自分の思考や勉強法とマッチしているように感じました。これからは色々な分野を学んだ上で先入観を捨てて、細分化している学問分野を繋ぐような研究が出来ればと思っています。

村山)まずは、デバイスのさらなる小型化・微細化に挑戦したいと考えています。昨年度はマウス坐骨神経への刺激を行いましたが、最終的な目標は脳神経刺激ですので本年度はマウス大脳皮質運動野(M1)への刺激を成功させたいと考えています。また、今回は麻酔下での実験を行ったのですが、覚醒下での実験にも挑戦したいです。


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