高専って
どんなところ?
日本独自の、
エンジニアを育てる学校
- 「高専」ってなんですか?
- 正しくは高等専門学校といいます。「高等」とついていますが、高校(高等学校)ではありません。さまざまな技術を生かしてはたらくエンジニアを、育てるための学校です。
- そうなんだ!何さいになれば入れますか?
- 中学校を卒業したての15さいで入学でき、卒業するのは5年生が終わってからです。大学と同じくらいの専門知識や技術を学べます。実験や実習が中心で、大学よりわかりやすい授業です。
- わたしは自分でロボットを作りたいんです。そんな勉強もできますか?
- もちろんできますよ。茨城高専では、ロボットなどの機械を作ったり動かしたりする機械・制御系、電気自動車やスマート家電などで人びとのくらしをゆたかにする電気・電子系、コンピュータやインターネットを使いこなし世の中を変えていく情報系、生物や環境などについての技術でよりよい社会をつくる化学・生物・環境系といった4つの系を用意しています。
5年間の学生生活
- 高校は3年間なのに、高専は5年間もあるんですね。
- 高校生になって、大学に行きたいと思ったら、たった3年間の高校生活のうち、多くの時間を受験勉強に使わなければなりません。高専だったら大学受験はありませんから、5年間の学生生活に集中できます。
- 好きなことに全力で打ち込めるのはいいかも!でも、高校生と同じことも学びたいなあ。
- それも心配しなくて大丈夫。授業には、高校と同じ国語・社会・体育・芸術などと、エンジニアの勉強をするのに必要な数学・化学・物理がふくまれる一般科目、そしてエンジニアになるために学ぶ専門科目があるんです。
- それなら安心だ。専門科目では、どんな授業をするんですか?
- 専門科目では先生に教わる授業よりも、自分で考えて、実験をやってみる授業が中心です。そのため、ほかの学校では見られないような実験・研究のための設備がたくさんそろっています。「自分で考えて、やってみて、結果を見てまた考える」ということは、エンジニアとしてとても大切なことなのです
卒業した後の進路はさまざま
- 高専に入学してからの5年間を「本科」といいます。本科を卒業すると、いよいよ一人前のエンジニアです。茨城高専では、毎年200人くらいが本科を卒業します。
- わたしは卒業したら、すぐにロボットを作る会社で働きたいなあ。卒業して働き始める人はどのくらいいますか?
- 卒業生のうち、約90人はエンジニアとして働き始めます。高専卒業のエンジニアに来てほしいという会社はとても多く、「働きたいのに行く会社がない」などということはまずありません。
- そうなんだ!!わたしの働きたくなるような会社があるといいな〜。他の卒業生はどんな道をえらぶのですか?
- 約90人は大学に編入学し、大学3年生になります。大学へ編入学する人の数は全国の高専の中でもトップクラスです。約20人は、高専の専攻科に進学します。2年間の専攻科ではより深い専門知識や技術を学ぶことができ、専攻科を卒業して大学院に進学する人も多くいます。
- すごーい!高専に入ると、いろいろな道がえらべるんですね!
自由でのびのびとした高専
- 中学生や高校生は「生徒」ですが、高専生は大学生と同じ「学生」です。茨城高専では生徒とはちがった、自由な学生生活が待っています。
- 学生かあ。なんだか大人っぽくてかっこいい!制服はありますか?
- 普段の服装は自由です。入学式や卒業式など学校指定の行事でスーツやブレザーを着てもらうこともあります。学業のさまたげにならなければアルバイトをするのも自由です。4・5年生は、学校にとどけ出てゆるしてもらうことで車・バイクでの通学もできます。
- ほんとに!?でもどうしてこんなに許してくれるのですか?
- このような自由があるのは、茨城高専が「決められた細かいきまりを守っていればいいのではなく、自分でよい/わるいを考えて行動することが大切」だと考えているからです。
- 自分でえらべる代わりに、よく考えなくっちゃ。
- 本科の学生約1,000人の中には15才から20才のいろんな人がいて、さらに外国から学びにきた、たくさんの留学生もいます。自由でのびのびとした高専では、さまざまな学生がともに学び、自分とはちがった考え方にふれ、おたがいに高めあっていけるようになっているのです。
仲間とともに生活する学生寮
- 家が遠くにある学生のために、茨城高専には学生寮「有朋寮」があります。
- 学生寮!?ワクワクするー!
- 男子寮、女子寮、シェアハウス型の国際寮があり、定員内なら家が近い学生も入ることができます。学生の部屋にはエアコン・つくえ・いす・ロッカー・ベッド・本だな・インターネット環境が備えられ、食堂では栄養バランスのよい温かい食事が出されます。
- なんでも揃ってるし、快適そう!私も住んでみたいな〜。
- 有朋寮は、年も出身もさまざまな学生たちがともにくらし、コミュニケーションを深め、よりゆたかな心をもつ人間として成長していくためのものです。その名前は、中国の古い書物『論語』の中の『朋有り遠方より来る、亦楽しからずや』(たがいにわかり合える友だちが遠くからやってきてともに学ぶ、なんと楽しいことだろうか)という言葉からつけられています。
わかりやすい授業
- 理系の科目は得意だけど、高専の授業についていけるかな?むずかしかったら、どうしよう...
- 「高専はエンジニアを育てるための学校」とは言っても、いきなり1年生からむずかしい授業が始まるわけではありません。
- えっ!そうなんですか?
- まず1年生ではきほんの授業やかんたんな実験、そして2年生・3年生としだいに専門科目の授業や実験・実習がふえていくようになっています。どの授業も年度の初めに学習の目標が発表され、わかりやすいものですから安心して学んでください。
- よかった〜〜。それならぼくもついていける気がする!
- 学年が上になればさまざまな実験・研究のための設備を使いこなせるようになりますし、5年生の卒業研究でも先生がしっかり指導してくれます。また、世界に羽ばたくエンジニアを育てるために、「英語を」ではなく「英語で」学ぶ理科や社会などの授業があります。
- えっ!英語で!?
- 留学や研修などで英語を学ぶチャンスもあります。「英語はむずかしい」と心配しなくてもだいじょうぶ。卒業研究のときにはみんな英語で発表できるくらいになっていきます。
- すごーい!ぼくもできるように、がんばらなくちゃ!