本校本科生が2021年度先進的技術シンポジウム(ATS2021)で優秀学術賞を受賞しました。

 令和4年3月8日(火)にオンラインで開催された2021年度先進的技術シンポジウム(ATS2021)において、本校の山田 海音さん(機械・制御系5年(受賞当時4年))が、研究課題「量子トポロジーの量子計算への応用と世界トップの軌道解析」(課題番号1304)の発表者として登壇し、極めて高いレベルで学術的な議論が展開されている発表に授与される「優秀学術賞」を受賞しました。

 登壇の山田さんは 「KEG上におけるSの実装」という題目で発表しました。タイトルのKEGとはKnot Eulerian Graph(結び目オイラーグラフ)の略です。KEGは、結び目を扱う時に計算量を減らす、あるオイラーグラフを考案したものですが、類似の概念がなく山田さんの造語を用いました。また、S+は結び目を境界とする曲面を、簡単なものから複雑なものに変換していく基本変形のことです。量子ビットの変化を紐だと捉えると、量子計算そのものが紐の絡み(量子化された数学におけるトポロジカルな状態変化)とみなされるため、いわゆる「量子トポロジーの量子計算への応用」が期待されます。さらに空間内の粒子の軌道と紐は対応するため、軌道解析という側面を持ちます。

 昨年度末、本校安細研究室の矢作優樹さん、山中稜斗さん(両名とも研究当時、情報系5年)が行った卒業研究を踏まえ、今回のATS2021においては量子不変量の一部を幾何学的に捉えることによって、「計算量を劇的に高速化」した山田さんのプログラムを詳しく紹介しました。これにより登壇者の山田さんは優秀学術賞を受賞しました。 


参考:豊橋技術科学大学 高専連携推進センター 先進的技術シンポジウム:令和3年度(外部サイト)

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