学生の活動紹介(オーストラリア留学報告)

電気電子工学コース 小飼尚輝さん

G’day mate! オーストラリアのブリスベンに語学留学をしておりました。専攻科2年の小飼尚輝(KOGAI NAOKI)と申します。今回のオーストラリア留学の目的は「アカデミック英語とIELTSのお勉強」です。そこで、今回の記事では主に以下の6点について深く視点を置き、読者にシェア出来ればと思います。

・失敗に終わったフランス留学。心機一転、ブリスベンへ!
・ブリスベンという街
・国語力が無ければ英語は無理
・コミュ障は海外でも孤独。英語力と一般教養の大切さ
・言語を学ぶ事のおもしろさ
・将来について

まずはこちらの動画をご覧ください。

留学への道筋

希望から絶望へ。自分の英語力の無さを痛感したフランス留学。
心機一転、ブリスベンで英語の基礎から勉強し直し!

 2018年の9月から約半年間ほど、フランスのINSA de Rouenという大学に留学をしていました。そこでは、主に自動運転技術に必要な「機械学習」「ディープラーニング」を中心に学習・研究をしておりました。

 フランス留学についての詳細はこちらのページにまとめてありますので、参照して頂ければと思います。


 フランス留学中はフランス語ではなく、主に英語で研究室の学生や先生とコミュニケーションを取っておりましたが、私は自分の英語力の無さに愕然としました。
 高専4年生から海外へ行き始め、英語でのコミュニケーションもそれなりにこなし、高専内でも私の英語力はそれなりにある方だと認識されていましたが、いざ外の世界へ出てみると、いかに私が低い英語レベルの世界で生きており、それに満足してしまっていたのかを痛感しました。
 フランスへ行くまでの私の考え方は、英語は日本の中学校で習う文法と単語力さえあれば十分に英語で誰かとコミュニケーションは取れるし、最低限TOEICで点数を600点くらい取っておけば、それ以上は求める必要が無いと思っていました。確かに、英語でコミュニケーションを取る分においては、中学生レベルの英語でも問題ありません。高専から大学や大学院への編入・入学にも最低TOEIC600点あれば、何とかなることもあります。
 しかし、海外の大学院へ進学し、海外で働く事を視野に入れている私にとっては、あまりにも現実を甘く見すぎていました。海外で活躍していくには、文系・理系問わず、アカデミック英語、つまり海外の大学で学術的なハイレベルの英語を用いて議論できる程度の英語力が無いと、話になりません。

一つ、ライティングの例文を出したいと思います。

Q, Are video games a good way to keep your health?

A1, I agree with this opinion. Because there are some good sports games.
  For example, basket ball, football and dancing.

 おそらく、中学生レベルの英語では、質問に対してA1のような回答になるかと思います。一見、質問事項に正しく回答し、理由と具体例も挙げられているので、回答としては問題無いようにも思えます。しかし、果たしてこの英語力で海外の大学や会社で通用するでしょうか。日本語に置き換えて考えてみましょう。

A1, 私はこの意見に賛成です。なぜならいくつかスポーツゲームがあるからです。例えばバスケ、サッカー、そしてダンスです。

どうでしょうか。明らかに、A1の回答ではレベルが低い事が分かるかと思います。これをアカデミック英語で書き換えるとA2のようになります。

A2, In recent times, a wide range of video consoles have become available, such as basket ball, football and dancing, and plethora of teenagers spend time with other young people in the home. However, they can occasionally make people lazy and not want to go outside, as a result, people cannot maintain their health. Nowadays, this is recognized by a number of people as a serious social issue. Therefore, video games are inappropriate methods for people’s health of the following reasons.

いかがでしょうか。A1のように単に自分の意見をポンと入れるのではなく、近年の社会の動向や、それにまつわる問題点などを盛り込んだ上で自分の意見を広げていく書き方です。どちらの文章が学術的な表現なのかは一目瞭然だと思います。

こうしたアカデミック英語を学ぶために、ブリスベンという街で英語力向上を目指し、日々勉強に励んでおります。今回の留学では、具体的にIELTSで6.5以上取るという目標を掲げており、結果はSpeakingとListeningでは無事に目標であった6.5を取得することが出来ました。

ブリスベンという街

 ブリスベンと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。 そもそもブリスベンってどこ?という人も少なく無いのでは無いかと思います 。

 オーストラリアの有名な都市は、シドニーやメルボルンなどが知られていますが、実は、ブリスベンはオーストラリアで上から3番目に数えられるほどの大都市です。

 ブリスベンは、人は優しく治安も良く、皆がリラックスして生活しているのがよく分かる街です。オーストラリアは超多民族国家であり、人口の3人に1人が外国人です。さらに、オーストラリアには独自の食事文化があまりなく、幼少期からアジア料理やヨーロッパの料理などを食べて育っており、海外へ出たことがない人でも、よくアジアの料理を知っています。また、外国人と生活をしていくのが当たり前と考えられている国であるため、外国人差別という言葉をほぼ聞きません。日本で、例えば茨城の田舎の方を白人や黒人の外国人が歩いていると、おそらく現地の日本人は彼らの事を物珍しそうにジロジロ見てしまうと思います。しかし、オーストラリアでは上で記したように幼少期から外国人と生活をともにしているため、我々のようなアジア人が街を歩いていたとしても、全く浮くことはありません。

 また、残業など働きすぎるということをせず、むしろ休暇の為に働くという姿勢であるため、仕事をする環境としても最高の場所です。

英語力と国語力

 多くの英語学習者が勘違いしていることは、英単語や英文法をひたすら勉強すれば英語を習得できるようになる、と思っていることです。しかし、残念ながらそもそも国語力が無ければ英語を習得するのに、かなり苦労することになります。

 私は塾で英語講師をしていますが、生徒に英語の長文読解をさせると、ある生徒はすんなりと問題を解こうとする、また、ある生徒は何をしていいのか良く分からずに止まってしまう、という2パターンに分かれることが多いです。この理由としては、そもそも英語が出来ない、大量の英語を見ると拒否反応を起こすなど、いくつかありますが、英語の長文読解に手をつけようとしない同じ生徒に国語の長文読解をさせると、英語の長文読解と同じように、国語の読解でも何をしてよいのか分からない、という傾向が現れる事が多いです。
 つまり、日本語で文章を読解する能力、筆者が言っている事をまとめられる能力、重要な点とそうでない点を見分けられる能力、代名詞が指すものが理解できる能力、これらが日本語で出来なければ、英語でも同じ事です。

コミュ障は海外でも孤独不可避。英語力よりも一般教養の大切さ

 仮に、ネイティブのような英語力があったとしても、話のネタや教養が無ければ相手にもされません。このような状況は例え日本でも、あまり会話に参加しない人がいれば、その人はグループから距離を置かれるようになるのと同じことです。

 では、どのようなネタがよく話されているのでしょうか。それは一般教養や自治ネタです。フランスに留学していた時、オーストラリアにいる時、他の国へ旅行した時、必ず聞かれる質問が「日本ってどんな国?」に関連した質問です。例えば「天皇陛下の仕事は?」「日本の歴史は?」「日本の政治とフランスの政治の違いは?」「なぜ多くの日本人は英語が出来ない?」など、日本という国を良く知っていないと答えられないものばかりです。日本の歴史、政治、教育、これらについての理解が無ければ「No idea…」と答えるしかありません。それで会話は終了してしまいます。

 社会に関して言えば、学校で習う社会という授業は覚えるだけの暗記科目で、テストの為にとりあえず覚えれば良い、という考えが生徒や学生、さらには一部の先生にまでも広がっておりますが、これらの一般教養がなければ孤独になります。と言っても過言ではないほど、大事な授業です。

 英語力を向上させるのももちろん大事な事ですが、そもそもの原点に振り返り、日本の事をどれだけ知っているかを再確認して下さい。

 一般教養や自治ネタに関して私の体験を踏まえ、もう少し掘り下げてみます。
 ブリスベンでは週に4回、図書館でEnglish conversationという、英語学習者が英語でフリートークをする、というイベントが開催されています。私も、ほぼ毎回参加していますが、以下のような場面にたまに遭遇します。

①英語の発音や単語力はあるにもかかわらず、話に入ってこようとしない人
②英語のレベルは低いが、積極的に自分の言いたいことを伝えようとする人

①の人に、なぜ話に入ってこないのかと尋ねてみると、英語は理解出来るけど、話の内容についていけない、という理由でした。その時話していいた内容は、日中韓の仲の悪さでした。私や他の参加者達はこのニュースに興味を持っており、色々と意見を出し合っていましたが、その人は政治的な内容に興味が無く、何を言えば良いのか分からなかったそうです。

② の人は、英語のレベルはまだまだ中学生程度で、三人称や複数のsのつけ忘れなど文法の間違えも多かったですが、他の参加者などはそんな事にいちいちツッコミを入れず、興味深そうに話を聞いていました。

 この例を見ても、やはり一般教養や自治ネタがいかに大事なのかが分かるかと思います。

 しかし、これはまだ英語学習者だから許されることであり、社会に出て人前でプレゼンなどをする際には、間違いだらけの英語は許されません。ただ、人前で話をする際にも自治ネタなどを交えたユーモアは聞き手の興味を引きつけるので、やはり自治ネタや教養は大事であり、それに加えて英語力も身につけていけば良いでしょう。

言語を学ぶ事のおもしろさ

 もし、あなたが階段から人が落ちそうな場面を目撃した時、なんと言うでしょうか?おそらく「危ない!」など、危険だという状況を説明する言葉を発するかと思います。これがもし英語を喋る環境で育った人であれば「Oh my gosh!」「Oh s***」など、危険という状況を説明せずに、ただの感情にまかせた音だけを発するでしょう。英語話者がこのような場面に遭遇したとしても日本語のような「it is dangerous」などとは言いません。これは中国語でも同じで「很危险」とは言いません。これらはある論文によると、2つのモードに分けられています。

・感情表出モード:痛い、oh my gosh
・感情描写モード:昨日頭が痛かった、it was so dangerous that

 そして、この両者の違いが現れる原因としては、言語の主体化の位置づけにある、とされています。日中英の言語主体化レベルは、日本語>中国語>英語となり、英語の感情表現が最も客体化に近いと結論付けられています。
 英語の文章では必ず主語が必要であり、中国語や日本語は必ずしも必要とされていません。例えば「美味しい」をそれぞれの言語で表すと

・It tastes good
・美味しい
・好吃

となり、英語では必ず主語が必要な事が分かります。

 少し難しい話になりましたが、言語を学ぶ面白さは誰かとコミュニケーション出来るようになるだけではなく、それぞれの言語の違いを調べてみるのも魅力の一つです。

将来について

 専攻科卒業後は、ブリスベンにあるQUEENSLAND UNIVERCITY OF TECHNOLOGY (QUT)の大学院に進学し、プログラミングを勉強します。この大学は、日本で言う東京工業大学のような大学で、エンジニアリングに特化した大学です。
 オーストラリアの大学院のカリキュラムは日本とやや違います。大学院修士課程では、日本であれば通常2年間の過程を修了し、研究をメインに学生生活を過ごすのが一般的かと思いますが、オーストラリアでは必ずしも研究をする必要はありません。
 修士課程では「コース」と「研究」という2つの選択肢が用意され、コースでは最低1年間、大学で授業を受けるだけで修士を取得することができ、研究では最低2年間、授業はあまり受けず、ひたすら研究をするというものです。
 私はまずコースに1.5年間所属し、その後は大学内にあるCARS-Qという自動運転に特化した研究所で、完全自動運転に向けた研究をしていこうと考えております。

 将来的な夢としては、オーストラリアで自分の会社を持ち、世界初の完全自動運転の会社を起業することです。

 そのために、現在、Polcaというクラウドファンディングを実施しております。皆様からの温かいご支援、よろしくお願い致します!