AE・AIコース | システム制御工学 | 2年・後期・選択・学修2単位 | |
担当教員 | 山中一雄 | 連絡先 | |
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講義の概要 | 線形制御系の解析・設計に関して、状態方程式と呼ばれる微分方程式による動特性表現にもとづいて展開される理論の一端を紹介する。2次形式評価指標に照らして最適な状態フィードバック制御則を求める問題の理論的な解(LQ理論)が最終目標であるが、その準備として重要な基礎概念である安定性、可制御性、可観測性などを併せて論じる。 | ||
到達目標 | 1.安定性、可制御性、可観測性の意味を理解し、数式モデルを見てそれらの性質を判定できる。 2.LQ理論の概要を専門外の人に説明でき、数学形式の範囲で最適レギュレータが設計できる。 |
日程 | 授業項目 | 理解すべき内容 | 理解度 (1~4) | |
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後期 | 第1週 | 制御問題への理論的アプローチ | 制御工学の諸問題を理論的に解決することの意味 | |
第2週 | 状態方程式 | 線形1階微分方程式で表わされるシステムの挙動解析法 | ||
第3週 | 可制御性と可観測性 | 可制御性、可観測性の概念とそれらの判定に係る諸定理 | ||
第4週 | 伝達関数と状態方程式 | 動特性表現としての伝達関数と状態方程式の間の関係 | ||
第5週 | 斉次形状態方程式の解の安定性 | 安定性の概念および係数行列の固有値との関係 | ||
第6週 | 対称行列と2次形式 | ベクトル2次形式の正定性と係数行列の固有値との関係 | ||
第7週 | リヤプノフの方法による安定解析 | 正定2次形式を用いた線形系の安定解析法の原理 | ||
第8週 | 出力の2乗積分とリヤプノフ方程式 | 出力の2乗積分を初期状態の2次形式で表現する方法 | ||
第9週 | 状態フィードバックによる安定化 | 可制御なシステムは安定化可能であること | ||
第10週 | LQ問題とリッカチ方程式 | 対称行列の2次方程式を解くことでLQ問題が解けること | ||
第11週 | リッカチ方程式とリヤプノフ方程式 | 線形方程式の逐次求解によりリッカチ方程式が解けること | ||
第12週 | リカッチ方程式とハミルトン行列 | ハミルトン行列の固有ベクトルから解行列を構成する方法 | ||
第13週 | 最適レギュレータの周波数特性 | 開ループの周波数特性からみた最適レギュレータの特徴 | ||
第14週 | 状態推定器と疑似状態フィードバック制御 | 出力データにもとづく状態推定を併用する制御系構成法 | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | 期末試験問題の解答と解説 | ||
学習教育目標 | Bに対応 | 達成項目 | 専攻科ロ),ハ)に対応 | JABEE 認定基準 |
(B-1),(B-2),(d)-(1)に対応 |
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教科書・参考書 | 教科書:指定せず板書を主とする。ただし必要に応じて資料を配布する。 参考書:授業の進行にともない、必要に応じて適当な学術書を紹介する。 | ||||
評価方法及び 合格基準 |
期末試験(満点は100)の得点が60以上の者を合格とする。 | ||||
学生へのメッセージ、 予習・復習について |
毎回、予習のための演習問題を提供するので、有効に利用すること。予習・復習にあたっては、試験問題が解けることに目的を限定せず、学問の面白さを見出すことに重きをおかれたい |