専共通 | 物性物理 | 1年・後期・選択・学修2単位 | |
担当教員 | 原 嘉昭 | 連絡先 | |
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講義の概要 | 固体の結晶の美しさ,そして豊かな物性は人類を魅了し続けている。しかし,量子力学が確立するまで,人類は固体の基礎的な性質さえ理解することができなかった。この講義では,固体(結晶)のもつ周期性をもとに,固体の電気的性質がいかに理解されているか,量子力学の結果を適用しながら理解する。 | ||
到達目標 | 1.金属のドゥルーデ理論を理解する。 2.金属のゾンマーフェルト理論を理解する。 3.結晶格子,逆格子について理解する。 4.周期ポテンシャル中の電子状態について理解する。 |
日程 | 授業項目 | 理解すべき内容 | 理解度 (1~4) | |
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後期 | 第1週 | 1.金属のドゥルーデ理論 | 衝突時間,緩和時間,直流電気伝導度,ホール効果,磁気抵抗 | |
第2週 | 交流電気伝導度,誘電関数,プラズマ共鳴,熱伝導度,熱電気効果 | |||
第3週 | 2.金属のゾンマーフェルト理論 | フェルミ・ディラック分布,自由電子,フェルミ運動量,フェルミエネルギー,フェルミ温度 | ||
第4週 | 体積弾性率,自由電子気体,ゾンマーフェルト理論,ヴィーデマン・フランツの法則 | |||
第5週 | 3.結晶格子 | ブラベー格子,基本ベクトル,基本単位格子,ウィグナーサイツ・セル | ||
第6週 | 4.逆格子 | 逆格子,ブリルアン・ゾーン,格子面,ミラー指数 | ||
第7週 | 5.X線回折 | ブラッグの条件,ラウエの条件,エバルトの構成,結晶構造因子 | ||
第8週 | (中間試験) | |||
第9週 | 6.ブロッホの定理 | 周期ポテンシャルとブロッホの定理,ボルンーフォン・カルマンの境界条件 | ||
第10週 | フェルミ面,状態密度 | |||
第11週 | 7.ほとんど自由な電子 | 摂動論と弱い周期ポテンシャル,拡張,還元,周期ゾーン形式 | ||
第12週 | ブリルアン・ゾーン | |||
第13週 | 8.半古典的動力学 | ブロッホ電子の波束,半古典論的力学,静電場 | ||
第14週 | 正孔,高磁場ホール効果と磁気抵抗 | |||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | |||
学習教育目標 | Aに対応 | 達成項目 | 専攻科イ)に対応 | JABEE 認定基準 |
(A-1),(c)に対応 |
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教科書・参考書 | 教科書:適宜プリントを使用する。 参考書:Solid State Physics by N. W. Ashcroft and N. D. Mermin (Harcourt, 1976) | ||||
評価方法及び 合格基準 |
成績の評価は,定期試験の成績80%,宿題の成績20%で行い,平均の成績が60点以上の者を合格とする。 | ||||
学生へのメッセージ、 予習・復習について |
一昨年度,3人の日本人物理学者が,青色発光ダイオードの開発に関する業績でノーベル物理学賞を受賞しました。このことからも分かるように,物性物理学は,現代の生活に大きな影響を与える学問に発展しました。皆さんも物性物理の魅力に触れてみましょう。講義の内容を見直し、講義で扱った演習問題を解き直すことで理解を深めよう。また,英語に慣れるため,英文の参考書を要約する宿題を毎回出します。 |