物質 | 生物工学 | 5年・通年・選択・学修2単位 | |
担当教員 | 鈴木 康司 | 連絡先 | |
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講義の概要 | 生物を工業的に応用するバイオテクノロジーは、21世紀の基盤産業になると期待され、国家的、全世界的にもその育成に力が注がれている。本講義では、それら技術の原理を学び、国内企業の現状、開発プロセス等のバイオテクノロジーの実際を追求する。 | ||
到達目標 | 1.バイオテクノロジーに用いられる原理(タンパク質・DNA配列決定技術、PCR技術等)を理解し、説明できるようになること。 2.世界のバイオ技術レベルを認識し、どのような製品が開発されたか把握すること。 |
日程 | 授業項目 | 理解すべき内容 | 理解度 (1~4) | |
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前期 | 第1週 | バイオテクノロジーとは | 人はどのようにして生物を工業に応用してきたのか把握する | |
第2週 | セントラルドグマと発現制御 | セントラルドグマを理解し、転写翻訳過程の制御を理解する | ||
第3週 | 遺伝子組換え技術 | どのようにして遺伝子組換えを行うのかその原理を理解する | ||
第4週 | 形質転換技術 | どのようにして組み換えた遺伝子を細胞内に導入するのか、その原理を理解する | ||
第5週 | タンパク質・DNA配列決定法 | タンパク質のアミノ酸配列とDNA塩基配列の決定方法を理解する | ||
第6週 | PCR技術 | 短時間でDNAを数億倍に増幅できるPCR技術を理解する | ||
第7週 | (中間試験) | |||
第8週 | 部位特異的変異 | 遺伝子配列を任意に変異させる部位特的技術を理解する | ||
第9週 | タンパク質工学 | タンパク質変異を自由に設計できるタンパク質工学技術を理解する | ||
第10週 | 細胞工学(培養) | 動植物の細胞培養技術と必要事項を理解する | ||
第11週 | 細胞工学(融合技術) | 異種細胞でも、融合技術により新しい品種が作れる技術を理解する | ||
第12週 | 動植物のバイオテクノロジー | 動植物のバイオテクノロジーの現状について理解する | ||
第13週 | 産業への応用(組換え植物) | どのようにして組換え植物が作られるのか理解する | ||
第14週 | 産業への応用(組換え食品の安全性) | 組換え食品の安全性がどのように保たれているのか理解する | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | |||
後期 | 第1週 | 産業への応用 (クローン動物) | 組換え動物、クローン動物の作成技術と倫理について理解する | |
第2週 | 産業への応用 (万能細胞) | ES細胞の構築方法と今後の応用について理解する | ||
第3週 | 産業への応用 (万能細胞) | iPS細胞の構築方法と今後の応用について理解する | ||
第4週 | 医薬品業界のバイオ(1) | 遺伝子組換え医薬品が、どのようにして産業に応用されているのか理解する | ||
第5週 | 医薬品業界のバイオ(2) | 病気の診断などにどのようにバイオが係わっているのか理解する | ||
第6週 | 医薬品業界のバイオ(3) | 臨床診断用酵素を用いた生体微量成分の測定原理と応用例を理解する | ||
第7週 | (中間試験) | |||
第8週 | その他業界のバイオ | 化学、石油、繊維、製紙、酵素業界におけるバイオの取り組みについて理解する | ||
第9週 | 環境関連 | 植物による環境浄化、ファイトレメディエーション技術について理解する | ||
第10週 | バイオハザード | 生物感染と対策、更にバイオテロについても知識を深める | ||
第11週 | 進化分子工学(バイオタイムマシン) | 強制的進化で新しい機能を得た生物を作り出す技術ついて理解する | ||
第12週 | ヒトゲノム解析とポストゲノム解析 | ヒトの全遺伝子配列解析と、DNAチップを用いた解析技術の応用について理解する | ||
第13週 | バイオインフォマティクス(1) | 膨大なDNA、タンパク質配列の情報をどのように解析をするのかを理解する | ||
第14週 | バイオインフォマティクス(2) | 与えられた課題について、インターネット上で検索する | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | |||
履修上の注意 | 後期13週目と14週目のバイオインフォマティクスは、MM教室等で演習を交えながら講義をする。 | ||||
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学習教育目標 | A,Bに対応 | 達成項目 | 本科イ)、ロ)に対応 | JABEE 認定基準 |
(A-2),(B-1),(d)-(1)に対応 |
教科書・参考書 | 教科書:久保 幹 他 「バイオテクノロジー」 (大学教育出版) 参考書:泉谷 信夫 他「生物化学序説 第2版」(化学同人) | ||||
評価方法及び 合格基準 |
成績の評価は、定期試験の成績を80%、課題レポートと小テストの総点を20%で行い、合計の成績が60点以上の者を合格とする。 | ||||
学生へのメッセージ、 予習・復習について |
「生命科学」、「生物化学」が基礎となるので、十分に復習して内容を理解しておくこと。「応用微生物工学」も並行して受講するとより良く理解できる。まだ教科書にも載っていないトピック等も説明するので、インターネット等で情報収集もやってみること。講義ノートの内容を見直し、講義に関する課題等が出された時は、それを解いておくこと。講義で示した次回予定の部分を予習しておくこと。 |