物質 | 機器分析 | 3年・通年・必修・履修2単位 | |
担当教員 | 小松﨑 秀人、岩浪 克之 | 連絡先 | |
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講義の概要 | 前期は、主に機器を用いた定性・定量分析法について解説する。また、その共通手法である検量線法を含め、機器分析の基礎力の養成を図る。後期は、有機化合物の可視・紫外吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトルの一般論を解説し、各種スペクトルと分子構造の関係を説明する。また、有機未知試料のこれらのスペクトルから、その化合物の構造決定を行う方法を解説する。 | ||
到達目標 | <前期>①各機器の利用法について、概要を理解できるようになること。②機器を用いた分析法の基本概念である「直線性」について理解できるようになること。③物質の存在量と機器の出力との直線関係(検量線)から、未知濃度を求める概念を理解できるようになること。 <後期>①各種スペクトルの概要と原理を理解できること。②各種スペクトルから得られる構造決定に関する情報が何であるかを理解できること。③未知試料に関する各種スペクトルから、その化合物の構造決定が行えること。 |
日程 | 授業項目 | 理解すべき内容 | 理解度 (1~4) | |
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前期 | 第1週 | 機器分析の概要(1) | 化学分析と機器分析の違い、機器分析の特徴 | |
第2週 | 機器分析の概要(2) | 検量線法などの定量法 | ||
第3週 | 吸光光度分析法(1) | 波長による光の区分と機器分析法の分類 | ||
第4週 | 吸光光度分析法(2) | Lambert-Beer則とその式の内容 | ||
第5週 | 吸光光度分析法(3) | 可視吸収スペクトル法の光吸収原理と、その定性・定量法 | ||
第6週 | 吸光光度分析法(4) | 紫外吸収スペクトル法の原理と応用 | ||
第7週 | (中間試験) | |||
第8週 | 吸光光度分析法(5) | 赤外吸収スペクトル法の原理 | ||
第9週 | 吸光光度分析法(6) | 赤外吸収スペクトル法の応用 | ||
第10週 | 蛍光分析法 | 蛍光分析の原理と応用 | ||
第11週 | 原子吸光分析法 | 原子スペクトルおよびフレーム、フレームレス原子吸光 | ||
第12週 | クロマトグラフィー(1) | クロマトグラフィーの分類と原理 | ||
第13週 | クロマトグラフィー(2) | ガスクロマトグラフィーの原理と応用 | ||
第14週 | クロマトグラフィー(3) | 高速液体クロマトグラフィーの原理と概要 | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | 前期分の総復習 | ||
後期 | 第1週 | 1.有機化合物の体系 | 官能基による有機化合物の大まかな分類 | |
第2週 | 2.定性実験による有機物の構造決定 | C=C検出法、CHO検出法、ヨードホルム試験、ルーカス試薬 | ||
第3週 | 3.可視・紫外吸収スペクトル (1)スペクトルの概要 |
共役二重結合と分子軌道法による取り扱い | ||
第4週 | (2)得られる構造情報 | 共役系の長さと第1吸収帯の吸収極大との関係 | ||
第5週 | 4.赤外吸収スペクトル (1)スペクトルの概要 |
分子の振動エネルギー準位、振動モード、官能基の特性吸収帯 | ||
第6週 | (2)得られる構造情報と演習 | 有機化合物の構造と赤外スペクトルの吸収パターン | ||
第7週 | 5.核磁気共鳴スペクトル (1)スペクトルの概要 |
核磁気共鳴の原理、化学シフト、積分値、スピン結合 | ||
第8週 | (中間試験) | |||
第9週 | (2)得られる構造情報 | いろいろな有機化合物の核磁気共鳴スペクトル解析 | ||
第10週 | (3)理論的取り扱い | 高磁場・低磁場、電子密度と化学シフト、環電流効果、スピン結合 | ||
第11週 | (4)演習問題 | いろいろな有機化合物の核磁気共鳴スペクトルの予想パターン | ||
第12週 | 6.質量スペクトル | 分子イオンピーク、窒素ルール、同位体ピーク、フラグメントピーク | ||
第13週 | 7.スペクトルによる構造決定 (1)有機構造決定法のまとめと演習 |
有機構造決定法の作業手順 | ||
第14週 | (2)演習問題 | 実際のスペクトルによる有機構造決定法 | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | 後期分の総復習 | ||
学習教育目標 | A,Bに対応 | 達成項目 | 本科イ)、ロ)に対応 | JABEE認定基準 | |
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教科書・参考書 | 教科書: 加藤、内山、鈴木 共著 「基礎からわかる機器分析」(森北出版) 参考書: 保母、小熊 編著 「理工系 機器分析の基礎」(朝倉書店) 庄野、脇田 編著 「入門機器分析化学」(三共) Silversteinら著、荒木ら訳「有機化合物のスペクトルによる同定法」(東京化学同人) | ||||
評価方法及び 合格基準 |
成績の評価は、定期試験の成績で行い、平均の成績が60点以上の者を合格とする。 | ||||
学生へのメッセージ、 予習・復習について |
機器分析は、有機,無機をはじめ化学全般の基礎であり,実際に広い分野で利用される応用化学です。4年生以降で選択する専門分野に関係なく、しっかりと理解し、各自の専門分野で活かして下さい。 |