ACコース | 錯体化学特論 | 1年・前期・選択・学修2単位 | |
担当教員 | 小松崎 秀人 | 連絡先 | |
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講義の概要 | 本科で学んだ錯体化学を基礎として、錯体の立体構造や電子状態、安定化要因、錯体の反応性などについて解説する。また、錯体化学の応用分野として最近展開されている生物無機化学の分野についても解説する。 | ||
到達目標 | 1.錯体の構造、性質、反応性について理解できるようになること。 2.錯体の安定化要因について理解できるようになること。 3.錯体が生物無機化学の分野でどのように展開されているか理解できるようになること。 |
日程 | 授業項目 | 理解すべき内容 | 理解度 (1~4) | |
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前期 | 第1週 | 錯体の構造・異性化現象 | 錯体の基本的構造や異性化現象 | |
第2週 | 錯体の電子状態 | 結晶場理論、結晶場分裂エネルギー、電子配置(高スピン、低スピン)、分光化学系列 | ||
第3週 | 錯体の電子状態と磁性 | 結晶場安定化エネルギー、配位子場理論、磁気的性質 | ||
第4週 | 錯体の安定性・反応性(1) | 安定度定数、キレート効果、HSAB則 | ||
第5週 | 錯体の安定性・反応性(2) | Jahn-Teller効果、Irving-Williams系列 | ||
第6週 | 錯体の安定性・反応性(3) | トランス効果、配位子置換反応、酸化・還元反応 | ||
第7週 | (中間試験) | |||
第8週 | 生物無機化学への展開(1) | 生物無機化学の位置付け、酵素と補酵素、生体内配位子 | ||
第9週 | 生物無機化学への展開(2) | モデル錯体の種類と設計 | ||
第10週 | 生物無機化学への展開(3) | 非酸化還元酵素とそのモデル錯体 | ||
第11週 | 生物無機化学への展開(4) | 酸素運搬体とそのモデル錯体 | ||
第12週 | 生物無機化学への展開(5) | 酸化還元酵素 | ||
第13週 | 生物無機化学への展開(6) | 酸化還元酵素のモデル錯体 | ||
第14週 | 無機薬品への応用 | 無機薬品としての金属錯体 | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | 錯体化学の総復習 | ||
学習教育目標 | Bに対応 |
達成項目 | 専攻科ハ)に対応 |
JABEE 認定基準 |
(B-2),(d)-(1),(d)-(2)-a)に対応 |
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教科書・参考書 | 参考書: 柴田村治 「錯体化学入門」(共立出版) 増田・福住編著「生物無機化学」(三共) | ||||
評価方法及び合格基準 | 成績の評価は、定期試験の成績で行い、平均の成績が60点以上の者を合格とする。 | ||||
学生への メッセージ |
金属錯体は、有機化合物や単純な無機化合物には見られない立体構造や反応機構、そして電子論的取扱いがあります。また、生物無機化学はこの30年で発展してきた分野です。興味のある方は是非受講してください。 なお、受講者は4年次の無機化学Ⅱの復習をしておいて下さい。講義ノートの内容を見直し、講義に関する演習問題を解いておくこと。講義内容で示した次回分の内容を予習しておくこと。 |