物質 生体機能化学 5年・通年・選択・学修2単位
担当教員 蝦名不二夫
連絡先 
講義の概要 生体とは化学反応の集合体であり、多数の化学反応が同時に進行しながら生命を維持している。これらの化学反応は、生体の温和な条件下で酵素等の生体機能物質を介して効率的に起こっている。本講義では、種々の酵素の作用機構を取り上げ、生体の巧妙なからくりを解説する。
到達目標 1.生物化学の基本的事項を理解できること。
2.酵素・タンパク質の役割や機能が理解できること。
3.生体反応における化学物質(錯体、有機物)の役割や機能について理解できること。
日程授業項目理解すべき内容 理解度
(1~4)
前期 第1週 1.生体反応の不思議とからくり
1)エネルギー貯蔵とATPの不思議
エネルギー貯蔵のための化学構造のからくり
 
第2週 2)効率的エネルギー獲得法の不思議 TCA回路・水素伝達系のからくり  
第3週 3)グルコースアノマーと変旋光の不思議 単糖類の変旋光のからくり  
第4週 4)脂肪酸のβ酸化の不思議 脂肪酸が高エネルギー物質であるからくり  
第5週 5)アミノ酸の両性イオンの不思議 アミノ酸の電荷がpHに依存するからくり  
第6週 6)タンパク質の不思議 タンパク質の高次構造と水溶液中の特異構造のからくり  
第7週 (中間試験)  
第8週 7)DNAと遺伝機構の不思議 ワトソン・クリックモデルと情報伝達機構のからくり  
第9週 8)タンパクの生合成の不思議 セントラルドグマのからくり  
第10週 9)免疫系の不思議  生体防御機構のからくり  
第11週 2.ヘムタンパク・酵素とそのモデル化
1)ヘムタンパク・酵素の概要
金属酵素、非金属酵素の種類と機能  
第12週 2)ヘモグロビン・ミオグロビン(1)  ヘモグロビン、ミオグロビンの特性、酸素運搬・貯蔵機構  
第13週   ヘモグロビン、ミオグロビン(2) 酸素飽和度とそれによる平衡定数の表現、Hill定数  
第14週   ヘモグロビン、ミオグロビン(3) 酸素運搬体モデルの構築、ピケットフェンスポルフィリン  
第15週 (期末試験)  
第16週 総復習 前期分の総復習  
後期 第1週 3)ヘモシアニンとそのモデル化 オキシヘモシアニンの構造と北島モデル  
第2週 4)チトクロムP-450とそのモデル化(1) チトクロムP-450の概要、酸素添加酵素の分類、反応パターン、酵素反応サイクル  
第3週   チトクロムP-450とそのモデル化(2) バイパス機構、モデル化とその結果  
第4週   チトクロムP-450とそのモデル化(3)   推定反応機構、同位体効果、NIHシフト  
第5週 5)その他のヘム酵素(1) ペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼ、  
第6週   その他のヘム酵素(2) カタラーゼ、チトクロムCオキシダーゼ  
第7週 6)ポルフィリン類の医薬としての応用 ポルフィリンの腫瘍診断薬、光線力学的治療と光増感剤  
第8週 (中間試験)  
第9週 3.加水分解酵素と加水酵素
1)加水分解酵素
エンドペプチターゼとエキソペプチターゼ、ペプシン  
第10週 2)加水酵素 カルボニックアンヒドラーゼ  
第11週 4.光合成
1)光合成の概略と電荷分離モデル
明反応と暗反応、グレッツェル型光増感セル  
第12週 2)光エネルギーの捕捉と電荷分離 光励起とエネルギー移動、電荷分離、電子伝達、PSⅡ、マンガンクラスター  
第13週 3)NADPH、ATP合成とCO2還元 PSⅠ、カルビン回路によるグルコースの生成  
第14週 5.ニトロゲナーゼ ハーバー・ボッシュ法の原理、ニトロゲナーゼの作用機構  
第15週 (期末試験)  
第16週 総復習 後期分の総復習  
学習教育目標 A,Bに対応
達成項目本科イ)、ロ)に対応 JABEE
認定基準
(A-2), (B-1), (d)-(1), (d)-(2)-a)に対応
教科書・参考書 教科書は使用しない。
参考書:「絶対わかる生命化学」、斎藤、下村著、講談社サイエンティフィク
参考書:「生命化学」、杉本著、丸善
評価方法及び合格基準 成績の評価は、定期試験の成績で行い、平均の成績が60点以上の者を合格とする。
学生への
メッセージ
生体は非常に巧みな機能・仕組みが組み合わされて維持されています。これらの仕組みにはまだ解らないことも多々ありますが、化学物質の性質・反応性などがどのように組み合わされているか、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。また、毎回、授業内容にに関連する課題を出しますので、復習を兼ねて解いておいてください。