制御 | 応用数学Ⅱ | 5年・前期・選択・学修2単位 | |
担当教員 | 石田 紀久 | 連絡先 | |
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講義の概要 | 高専における応用数学で主に学ぶ内容は大きく5つに分類される。「微分方程式」、「ベクトル解析」、「フーリエ解析(ラプラス変換)」、「複素解析」、「確率・統計」である。前半は「複素解析」である。簡単に言ってしまえば、複素数を変数にもつ関数の微積分について学ぶ。極限、連続性の定義は2変数実関数と本質的に同じであるが、微分可能性、正則性になると2変数実関数と決定的な差異が生じる。正則性が非常に強い条件であることを示しているのがコーシー・リーマンの方程式であって、それゆえ複素関数特有のさまざまな美しい定理がそこから導かれる。 後半は、「数理統計」である。特に、統計的な推測では、「何かについて調査をするとき、その全体(母集団)を調べずとも、その一部(標本)を抜き取って調べることで全体の傾向がどの程度の確からしさで推測できるか」について学ぶ。 | ||
到達目標 | 1:複素関数の正則性とコーシー・リーマンの方程式との関係を理解する。 2:複素積分の計算に習熟する。 3:数理統計の基本となる考え方に習熟する。 |
日程 | 授業項目 | 理解すべき内容 | 理解度 (1~4) | |
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前期 | 第1週 | 複素平面、複素関数の微分法 | 複素平面と極形式、複素関数の極限、複素関数の微分法 | |
第2週 | 複素関数の正則性 | 複素関数の正則性、コーシー・リーマンの方程式 | ||
第3週 | 初等関数 | 指数関数、三角関数、対数関数 | ||
第4週 | 複素関数の積分、コーシーの積分定理 | 複素積分の計算、コーシーの積分定理、コーシーの積分公式 | ||
第5週 | 正則関数とその展開 | 正則関数のテイラー展開 | ||
第6週 | 孤立特異点とローラン展開 | 孤立特異点とローラン展開、ローラン展開と留数の関係 | ||
第7週 | (中間試験) | |||
第8週 | 事象と確率、確率の計算 | 事象と確率、確率の基本的性質、確率の計算 | ||
第9週 | 条件付き確率、従属事象の乗法定理 | 条件付き確率、従属事象の乗法定理 | ||
第10週 | 事象の独立と従属、確率変数と確率分布 | 事象の独立と従属、確率変数と確率分布、確率変数の平均と分散 | ||
第11週 | 確率分布 | 二項分布、正規分布 | ||
第12週 | 統計的推測 母集団と標本 | 母平均、母分散、標本平均の分布 | ||
第13週 | 推定 | 母平均の推定、母比率の推定 | ||
第14週 | 検定 | 母平均の検定、母比率の検定 | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | |||
学習教育目標 | Aに対応 | 達成項目 | 本科イ)に対応 | JABEE 認定基準 |
(A-1),(c)に対応 |
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教科書・参考書 | 教科書 複素解析:高遠節夫他著「新訂 応用数学」(大日本図書) 数理統計:田代嘉宏著「工科の数学 確率・統計」(森北出版) | ||||
評価方法及び合格基準 | 成績の評価は、定期試験の成績で行い、平均が60点以上の者を合格とする。 | ||||
学生への メッセージ |
学生は予習復習等の自宅学習を励行すること。授業の進行が非常に早いので、普段から復習には特に励むこと。講義ノートの内容を見直し、講義に関する例題・演習問題を解いておくこと。講義で示した次回予定の部分を予習しておくこと。 |