共通 | 人間と世界Ⅲ | 5年・通年・選択・学修2単位 | |
担当教員 | 神山 和好 | 連絡先 | |
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講義の概要 | 論理学の初等的講義。命題論理学と述語論理学の概要を講義する。演繹体系としてはゲンツエンの自然演繹法を使う。論理的証明の習熟や論理学の骨組みの解説に重点を置き、完全性定理の証明等は省略する。 | ||
到達目標 | 1.論理的に正しい推論とは何かを理解する 論理的に正しい推論の型を確認する 2.論理学の基本的な骨組み(言語,意味論,構文論,完全性定理)を理解する 3.論理が一般の理論において果たす役割を理解する |
日程 | 授業項目 | 理解すべき内容 | 理解度 (1~4) | |
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前期 | 第1週 | 1 論証と形式化 | 論理学は論証の構造の研究である 形式言語 | |
第2週 | 2 命題論理 | 論理語:かつ、または、もしーならば、ではない | ||
第3週 | 形式言語Ls:記号の規則、形成規則、解釈の規則 | Lsの定義 | ||
第4週 | トートロジーと意味論的帰結1 | 2重否定則、対偶則、排中律、ド・モルガン則、他 | ||
第5週 | トートロジーと意味論的帰結2 | 妥当な推論とは、前提の正しさを結論に保存する推論である | ||
第6週 | 推論の分析 | 簡単な推論の分析 | ||
第7週 | (中間試験) | |||
第8週 | 演繹体系NKs | 自然演繹法NKs | ||
第9週 | NKsの演繹,演繹可能性 | NKsにおける証明 | ||
第10週 | 形式的証明の習熟1 | NKsにおいていろいろなトートロジーを証明する | ||
第11週 | 形式的証明の習熟2 | NKsにおいていろいろなトートロジーを証明する | ||
第12週 | 置き換え定理 | 証明の簡略化 | ||
第13週 | 完全性定理(NKsの完全性) | NKsは健全かつ完全である | ||
第14週 | まとめ | 命題論理のまとめ | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | |||
後期 | 第1週 | 3 述語論理 | 第一階の述語論理 言語の拡張の必要性 | |
第2週 | 形式言語L | 第一階の述語言語L、「すべて」、「存在する」 | ||
第3週 | 諸命題のLによる表現 | さまざまな命題をLで表現する | ||
第4週 | 恒真式と意味論的帰結 | トートロジー、意味論的帰結の拡張 | ||
第5週 | 演繹体系NK | 「すべて」と「存在する」に関する4つの推論規則 | ||
第6週 | NKの演繹,演繹可能性 | NKにおける証明 | ||
第7週 | (中間試験) | |||
第8週 | NKの演繹,演繹可能性 | NKにおける証明 | ||
第9週 | 完全性定理(NKの完全性) | NKは健全かつ完全である | ||
第10週 | 推論の分析 | NKを用いて具体的推論を分析する | ||
第11週 | 4 初等的理論:(例)自然数論 | 論理学からみたとき理論とは何か | ||
第12週 | 自然数論 | 理論のなかで論理はいかに機能するか | ||
第13週 | 5 前途瞥見 | 集合論 ゲーデルの不完全性定理 他 | ||
第14週 | まとめ | まとめ | ||
第15週 | (期末試験) | |||
第16週 | 総復習 | |||
学習教育目標 | Eに対応 | 達成項目 | 本科ト)に対応 | JABEE 認定基準 |
(E-2),(a)に対応 |
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教科書・参考書 | 参考書:前原昭二「記号論理入門」日本評論社 D. van Dalen, Logic and Structure, Springer-Verlag | ||||
評価方法及び合格基準 | 4回の定期試験の平均が60点以上の者を合格とします。 | ||||
学生への メッセージ |
論理なしには科学や数学は展開できませんから(できたらすごい)、論理学は合理的思考に関心あるすべての人にフィットする科目だと思います。教科書は使わないので、必ずノートをとること。随時演習問題(宿題)を課します。演習問題の大部分は参考書「記号論理入門」の中にあります。各定理の証明を見たい人はLogic and Structureを見てください。 |