サザコーヒーのSDGsチャレンジ~食品残渣を農業資材として活用するために~

澤井先生がコーヒーの焙煎かすや鶏卵殻などの再生利用法を模索する共同研究を開始



化学・生物・環境系の澤井先生が、株式会社サザコーヒーホールディングス(茨城県ひたちなか市、代表取締役社長 鈴木太郎 以下、サザコーヒー)と同社の食品関連事業で多量に発生するコーヒーの焙煎かす(チャフ)や鶏卵殻など、通常は廃棄物として処分される食品残渣を農業資材として活用するための方法を模索する共同研究を開始しました。



建物の前に立っている男性たち

低い精度で自動的に生成された説明

▲ハートフルファーム土の香への視察の様子
(写真左:ハートフルファーム土の香の八木岡 岳暁 代表/中:サザコーヒーの小泉 準一 取締役/右:澤井先生)



研究の背景

サザコーヒーではコーヒーの焙煎過程で不可避的に生じる食品残渣について、かねてから「食品残渣を農業の現場に活かすことはできないか」と模索していました。今回、取引先のいちご農家 ハートフルファーム土の香(茨城県水戸市、代表 八木岡 岳暁)の協力のもと、澤井先生が効果の検証を行うことになりました。




研究のポイント

本研究では、チャフを混ぜた土壌の保水性・保湿性などの特性や圃場の雑草防除効果、鶏卵の殻を混ぜることで土壌がどのように改質されるかなどの効果を検証し、これらの農業資材としての適性を評価します。



■コーヒーの焙煎かす(チャフ)とは

▲コーヒー豆の構造



種子(コーヒー豆)の外側を覆っている薄い皮のこと。その色が銀色っぽいことからシルバースキンや銀皮などと表現される。コーヒーチェリーは一番外側が外皮、その下には果肉があり、その下にはパーチメントと呼ばれる皮、更にその下にシルバースキンがあり、その下にコーヒー豆があります。



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▲コーヒーの焙煎かす(チャフ)



研究の進め方・抱負

本研究には澤井先生だけでなく、化学・生物・環境系の学生も参加する予定です。月に1~2度ほど現地を訪れて土壌を預かり、澤井研究室で調査・分析を行うことにしています。

「これまでチャフを農業資材として活用するケースはあまり知られていない。本研究の結果次第では食品残渣の活用の大きな一歩につながると思う。実際に農業の現場へ足を運び、生産者の話を聞けるといった点でも学生にとって素晴らしい刺激になると思う」と澤井先生。
サザコーヒーの小泉 準一取締役は「これまでに、コーヒーのチャフというのは廃棄するという考えのものでしかなかった。どうしても出てしまう廃棄物を出さないという考え方だけでなく、出てしまうものをどう再利用するか?それを茨城高専や地元の農家と一緒に学生たち達も交えて考えていけることがこれからのSDGsだとワクワクする」と本研究への意気込みを語りました。

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