専攻科生が高専シンポジウムで長岡技術科学大学学長賞,ポスター賞を受賞!

 2020年1月25日(土)に行われた,第25回高専シンポジウムin Kurumeにおいて,本校専攻科応用化学工学コース2年生の田所駿さんが長岡技術科学大学学長賞及びポスター賞を,同1年生の大原朋海さんがポスター賞を受賞いたしました。おめでとうございます。

http://www.kurume-nct.ac.jp/sympo25/

田所さんの受賞内容

発表タイトル

ヒドロキソおよびピラゾラト架橋配位子を有する二核コバルト(II,II)錯体の合成と性質

著者

田所 駿、大平和成、山崎裕太、小松﨑秀人、佐藤 稔、吾郷友宏、田中裕也、穐田宗隆、中澤 順、引地史郎

研究の概要

 金属ーヒドロキソ種は、二酸化炭素の可逆的水和、エステルやアミドなどの加水分解、そしてアルコールの脱水素などの酵素反応に関係していると考えられている。カルボニックアンヒドラーゼでは亜鉛-ヒドロキソ種が、メチオニンアミノペプチターゼではコバルト-ヒドロキソ種が形成され、二酸化炭素と炭酸水素イオンの相互変換や、ペプチドの加水分解が触媒されていると提案されている。このように、金属や活性中心構造が異なるにも関わらず、金属や配位環境により、ヒドロキソ配位子の塩基性が巧みに制御されている。

 当研究室ではこれまでに、金属や配位環境の違いが反応性にどのように関与するのかを検討するために、トリスピラゾリルボレート配位子を有する二核マンガン(II,II)(μ-ヒドロキソ)(μ-ピラゾラト)錯体を合成し、ヒドロキソ配位子が塩基として作用することを報告してきた。

 本研究では、二核マンガン(II,II)(μ-ヒドロキソ)(μ-ピラゾラト)錯体を新たに合成し、二酸化炭素およびp-ニトロフェニルとの反応について検討を行った成果を報告した。

田所さんのコメント

 高専生活最後の学外での発表会で『長岡技術科学大学学長賞』という、ありがたい賞をいただけて光栄な限りです。この経験を今後の進学先の研究室でも生かし、より一層努めていこうと思います。やっほーーい!

指導教員(小松﨑教員)のコメント

 田所君は、本科5年生から専攻科課程の約3年間で、いろいろな金属を有する錯体化合物の合成を精力的に行ってきました。その結果、学会で発表できるデータをいくつか持っていました。高専シンポジウムでも口頭発表と、ポスター発表の両方で発表を行うなど、積極的に成果発表を行ってきました。そのため、プレゼンテーション力もつき、今回の表彰に繋がったと思います。本当におめでとうございます。今後の活躍を大いに期待しています。そして、田所君のご指導に当たってくださった共同研究機関の先生方に、心から御礼申し上げます。

なお本研究はJSPS科学研究費補助金(科研費・学術研究助成基金助成金)の 基盤研究(C)一般(17K05822) および、「物質・デバイス領域共同研究拠点」の 共同研究プログラムの助成を受けたものです。

大原さんの受賞内容

発表タイトル

金属錯体におけるヒドロトリス(ピラゾリル)ボレート配位子の置換基効果

著者

大原朋海、宮野陽、小松﨑秀人、澤井光、吾郷友宏、田中裕也、穐田宗隆、中澤順、引地史郎

研究の概要

 亜鉛(II)は多様な酵素の活性中心部に存在し、二酸化炭素の水和反応やアルコールの酸化反応を触媒するなど重要な役割を果たしている。これらの触媒反応は、亜鉛(II)に結合している配位子によって制御されていると考えられている。そのため、酵素の金属結合部位に見られるヒスチジン残基のイミダゾール環を模倣したヒドロトリス(ピラゾリル)ボレート配位子(Tp)を用いることで亜鉛(II)錯体の合成を行い、その構造や性質の解明を行うことにした。本研究では、置換基の異なるTp配位子を有する亜鉛(II)錯体の合成を行い、その構造や置換基の違いが及ぼす影響について検討を行った。

大原さんのコメント

多くの学会発表者がいた中、自分がこのような賞を頂けたことをうれしく思います。ご指導くださった多くの先生方には、大変お世話になりました。ありがとうございました。

指導教員(小松﨑教員)のコメント

大原君は、専攻科入学後、さまざまな錯体合成を行うことで、合成のテクニックをかなり身につけました。学会発表を行う上での資料作りや、相手を理解させようとする工夫もよくできており、そのような努力が実を結んだと思います。本当におめでとうございます。今後の活躍にも期待しています。そして、大原君のご指導に当たってくださった共同研究機関の先生方に、心から御礼申し上げます。

なお本研究はJSPS科学研究費補助金(科研費・学術研究助成基金助成金)の 基盤研究(C)一般(17K05822) および、「物質・デバイス領域共同研究拠点」の 共同研究プログラムの助成を受けたものです。

本件に関する連絡先
茨城工業高等専門学校 物質工学科 小松﨑秀人
  hidehito@chem.ibaraki-ct.ac.jp 
 (@(アットマーク)を半角に直して送信して下さい。)

タグ: